もくじ
シニアライフに必要なお金はどのくらい?
定年後は、旅行や趣味を楽しみ、悠々自的な暮らしを送りたいものですよね。
計画的な退職金の使い方や運用方法を考えて、憧れのシニアライフを手に入れましょう。
生命保険文化センター令和元年度「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人(高齢夫婦無職世帯)で老後生活を送るための「最低日常生活費」は平均22.1万円という調査結果が出ています。
また、日常の生活費以外にレジャーなどを楽しみながら暮らす場合の「ゆとりある老後生活費」は平均で36.1万円という結果でした。
また、「総務省の家計調査報告(令和元年)」を確認すると、高齢夫婦無職世帯の消費支出の合計は23万9,947円。
さらに税金などの非消費支出分の30,982円を加えると、実支出は27万929円。実支出とは、消費支出と非消費支出を合計した支出のことです。
統計による「最低日常生活費」より上回る結果が出ています。
対して、収入はどうかというと、平均は23万7,659円となりますので、
27万929円-23万7,659円=3万3,270円
毎月ごとに3万円以上の赤字が出ている計算となります。
退職金があれば大丈夫?
平成30年簡易生命表の概況によると男女の平均寿命は男81.25 年、女性87.32年ですので、ここでは目安として85歳までで計算します。
65歳からを「老後」とすると、20年間で、
33,270円×12ヶ月×20年=7,984,800円
日常生活費だけでも20年間で、700万円以上の赤字です。
厚生労働省の平成30年就労条件総合調査の概況によると、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者の退職給付額(平成29年度の1年間)は以下の通りです。
・大学卒・・・1,983万円
・高校卒(管理・事務・技術職)・・・1,618万円
・高校卒(現業職)・・・1,159万円
貯蓄額や個人年金などの収入によっても経済状況は変わりますが、旅行やショッピング、万が一の際の医療費や、老人ホームへの入居費用など、生活費以外の支出があることを考えるとギリギリの生活になってしまうことが考えられます。
楽しいシニアライフを送るための資金を充分に貯めておきたいものです。
退職金を元手に運用を考える
シニアライフの資金源として、年金や退職金が考えられますが、働き方によっては、退職金が出ないという状況も想定されます。
老後に起こりうることを考慮して、充分な貯蓄や副収入を考えておいたほうが良いでしょう。
「今からでは遅いかも」「今まで一生懸命働いてきたのに」と思われるかもしれませんが、これからでも始められる資金の運用方法はたくさんあります。
退職金を使った運用方法を見ていきましょう。
①退職金向け定期預金
まずは退職金を預ける場合を見ていきましょう。各金融機関において、退職金運用向けの様々な商品が提供されています。
「退職金向け定期預金」の特徴としては、元本の保証はもちろん、普通定期預金よりも高利率で提供される点が挙げられます。
リスクが少なく、安心して運用できる方法です。
②個人向け国債
個人向け国債とは、民間向けに発行される国の債券のことです。
国債を購入するということは、一定期間、国にお金を貸すことを意味します。その期間、定期的に利子を受け取ることができ、満期になれば、元本が返済されます。元本が保証されるリスクの少ない投資です。
「変動10年」「固定5年」「固定3年」など、期間と金利の種類によって3パターンから選ぶことができ、最低金利0.05%保証、1万円から購入できます。
毎月発行され、金利は発行日の一ヶ月前ぐらいに発表されます。
一般の定期預金と利率を比較しながら、判断しましょう。
③各種ローンの返済
住宅ローンや自動車ローンなど「金利」が発生するものを先行して返済しておくことも、先を見据えた運用方法と言えるでしょう。
金利が発生し続ければ、支払う費用も増えていく一方なので、ローンの完済を早めることで、金利部分の支出を抑えることができます。
支出を抑えるという観点からも退職金の運用方法はよく考えましょう。
④投資信託・株式投資
運用というと「投資信託・株式投資」を思い浮かべる方も多いでしょう。
世界情勢に影響を受け、株価が急落したり、企業が倒産したり、元本を割る可能性もあるので、これらについてはしっかりと知識をつけることが肝心です。
もちろん成功すればリターンは大きいですが、リスクも高いことを把握しておきましょう。
退職金は、シニアライフを左右します。安易な運用はせず、リスクを分散させておくと安心です。
個人年金保険で、老後の不安を減らす
定年までまだ期間があり、現在の収入が安定している方であれば、個人年金保険への加入も考えてみてはいかがでしょうか。
好きなときに出し入れすることはできませんが、確実に老後資金を貯めていきたい方にはオススメです。
しかし、あくまでも老後資金の準備が目的なので、契約時に定めた年齢までお金を受け取れないことが前提となります。
途中で解約すると支払った金額より少ない額しか受け取れないことが大半ですので、注意が必要です。
老後資金は時間をかけて、コツコツ貯めていくことが重要なのです。
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おさらい
- 健康面やお金の面など、老後についてはさまざまな不安があるかと思いますが、事前にどれだけ準備できているかによって、老後の充実度が変わります。
- 堅実な運用方法で安定的な収入の確保ができるよう、退職金の使い道をしっかりと計画しましょう。