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退職後には何をしたらいい?忘れてはいけない手続きまとめ

退職後には何をしたらいい?忘れてはいけない手続きまとめ

この記事の早わかり要約

  • 退職後は「年金・健康保険・失業保険」の手続きが必要であり、それぞれ手続きの期限が決まっています。
  • 退職した後にも、所得税や住民税を支払う必要があり、住民税は退職月によって、支払い方が異なります。
  • 各種手続きが発生する退職後にあわてないように、会社から受け取る書類や手続きに必要な書類についてよく確認しておきましょう。

退職後の手続きとは

退職を決めたものの退職した後の手続きの種類は意外と多いということは、あまり知られていないのではないでしょうか。

 

一方で、退職をした後の手続きには期限があるものもあります。退職をする前にどのような手続きが必要なのかをしっかりと確認しておきましょう。

 

会社に在籍している間、社会保険の手続きは会社で行っているので、あまり意識したことがないかもしれませんが、退職したら自分で社会保険の手続きをする必要があります。

 

退職した後の手続きは、「年金・健康保険・失業保険」などがあり、切り替え先によって期限が異なります。期限ごとに区切ると下記のように分けられます。

 

  • 退職日まで:必要書類の受け取り・退職に伴う備品などの返却
  • 退職日から14日以内:国民健康保険国民年金への切り替え
  • 20日以内:任意継続保険者への切り替え(任意継続する場合)
  • 速やかに対応:失業保険手続き

 

それでは、手続きについて順番に詳しく確認していきましょう。

 

【退職日まで】返却物・受け取る書類 退職時に会社に返却するもの

 

1.健康保険証

会社に在籍している間の健康保険は、退職日まで利用することができます。

 

退職に伴い、保険証は速やかに返却することを求められますが、もし退職日を過ぎて健康保険をうっかり使ってしまった場合、医療費は3割負担ではなく、全額自己負担になってしまいます。

 

退職日前後の健康管理には気をつけ、保険の切り替えを速やかに行いましょう。

 

2.会社から借りているもの

社員証や社員バッチ・名刺など会社から支給されているものは全て返却しましょう。会社から支給されている制服やパソコン、携帯電話、机の鍵、事務用品なども対象です。

 

受け取る書類

 

1.雇用保険被保険者証

いわゆる、雇用保険証です。雇用保険に加入している証明になるものです。

 

2.離職票

離職票は、失業保険を受給するために必要な書類です。交付をしてもらうことを忘れないようにするのと同時に、内容に間違いがないかを必ず確認しましょう。離職票の内容は、失業給付の基本手当の金額や給付日数に関わります。

 

3.健康保険資格喪失証明書

健康保険から、国民健康保険に切り替えをする場合に必要な書類になります。

 

4.源泉徴収票

本来、源泉徴収票は、12月の所得が確定したときに受け取る書類です。しかし、年度の途中の退職でも、源泉徴収票が発行されます。

 

転職後の会社に提出して年末調整をしてもらう時や、年内に転職が決まらない場合は自分で確定申告をする時に必要になります。

 

5.年金手帳

会社に預けている場合は、忘れずに受け取りましょう。

 

健康保険の手続き

健康保険には様々な選択肢があり、自分で最適な健康保険制度を選択し、手続きを進めましょう。退職後の健康保険として、「国民健康保険・任意継続制度・家族の扶養に入る」といった3つの方法から選択します。

 

手続きには、それぞれ期限が設けられています。そのため、退職前にどのような健康保険に加入するかを検討しておく方が良いでしょう。

 

【14日以内】国民健康保険に切り替える

国民健康保険は、県と市区町村が共同保険者となって(平成30年4月から)運営している健康保険の制度です。

 

◆  保険料

住んでいる自治体に応じて異なります。基本的には、前年度の世帯年収と世帯加入人数をベースとして算出しています。それに加えて、固定資産も算定対象としている市区町村もあります。

 

保険料は、あらかじめ市役所や区役所などの住んでいる地域の役所で教えてもらうことができます。退職前に、時間を作って確認しておきましょう。

 

◆ 必要書類

健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、通帳、印鑑、マイナンバー

 

◆ 手続き

住んでいる自治体の役所の健康保険の窓口に申し出ましょう。

 

【20日以内】任意継続被保険者制度を利用する

退職前に加入していた健康保険に、引き続き加入する方法です。退職者の意思で、健康保険の継続ができる制度になっています。最大2年間継続して加入することができます。

 

任意継続にするための要件は、退職する前に2ヶ月以上健康保険の被保険者であることです。

 

◆ 保険料

在職時の健康保険料は会社と被保険者の折半ですが、退職後の保険料は全額自己負担となります。

 

保険料は、今までと比較すると高く感じるかもしれません。会社や健康保険組合に問い合わせて確認しておきましょう。保険料を納期までに支払わなければ、任意継続の資格を喪失してしまうので、納付漏れのないようにすることが大切です 。

 

◆ 必要書類

健康保険任意継続被保険者資格取得申出書、本人確認書類、印鑑

 

◆ 手続き

継続する健康保険組合の手続きに則って行います。20日以内と期限があるため、事前に手続き方法を確認しておくと安心です。

 

【速やかに】家族の扶養に入る

家族が加入している社会保険に入って、扶養家族になる方法があります。

 

退職後すぐに転職をしないのであれば、配偶者の扶養になる、未婚の場合は親の扶養に入るといったことが考えられます。

 

◆ 扶養に入るための要件

1)被保険者により生計を維持されていること

2)年収が130万円未満、かつ同居の場合は被保険者の年収の1/2未満であること。別居の場合は、被保険者からの仕送り額未満であること

3)配偶者、子、孫、兄弟姉妹、父母、祖父母などの直系尊属、同一世帯の3親等内の親族

 

健康保険によっては、失業給付を受けていると、要件から外れてしまい、扶養に入れない場合もありますので、家族が加入している健康保険組合に問い合わせてみるのが良いでしょう。

 

失業保険の給付期間中に扶養に入れない場合は、国民健康保険への切り替えか、健康保険の任意継続を選択します。

 

◆ 保険料

扶養家族の社会保険料は発生しません。

 

◆ 必要書類

健康保険被扶養者(異動)届、他にも年収要件を確認する書類などが必要になります。扶養に入る人の状況によって、必要書類は異なるので、健康保険組合に確認しましょう。

 

◆ 手続き

扶養に入る家族の会社に申告しましょう。

 

【14日以内】年金の切り替え

転職先が決まっていない場合は、国民年金保険への切り替え、または家族の扶養に入る手続きのどちらかが必要です。

 

国民年金保険に加入する場合は、退職後14日以内に、住んでいる自治体の年金窓口で手続きを行います。

 

必要な書類は、年金手帳、離職票、本人確認書類、印鑑です。2018年度の国民年金保険料は毎月16,340円です。

公的年金制度の種類はどれくらいあるの?一覧入りでわかりやすく解説

 

【離職証明書を受け取ったら速やかに】雇用保険(失業保険)

退職理由が自己都合、会社都合に関わらず、失業保険を受け取る意思があるのなら手続きが必要になります。

 

退職日から10日以内を目途に、離職証明書が送られてきます。書類が届いたら速やかに住んでいる自治体のハローワークで手続きを行います。

 

失業保険の受給期間は原則として退職日の翌日から1年間です。その間に受給を終える必要があるため、速やかに手続きを行う必要があります。1年を過ぎてしまうと、支給は途中で打ち切られてしまいます。

 

◆ 申請方法

住んでいる地域のハローワークに届け出て、受給資格が決定します。その後は、7日間の待機期間を経て、雇用保険受給説明会に参加します。

 

受給資格決定日から起算して4週間間隔で失業認定日としてハローワークへの来所の日時が設定されます。

 

就職活動をしているなどの要件を満たしている、且つ失業認定日に来所をしているなどを満たすことが、基本手当(失業給付)の受給の要件となります。

 

自己都合の場合は、受給資格決定日から3ヶ月間は給付制限期間があります。

 

◆ 必要書類

離職票、通帳、雇用保険被保険者証、本人確認資料、3ヶ月以内に撮影した写真2枚、印鑑、マイナンバー確認証明書

 

出産、病気……すぐに働けない場合は?

出産や病気などが理由ですぐに働けない場合(30日以上)でも、所定の手続きを行うことで受給資格を最大3年間延長することができます(本来の受給資格と合算すると離職日の翌日から最大4年間)。

 

延長後の受給期間の最後の日までに、所管のハローワークに申し出ましょう。

 

ただし、残りの受給期間が短いタイミングで申請をしても受給期間は限られているので全てを受給できない可能性があります。

 

離職票や受給期間延長申請書・印鑑のほかに、母子手帳や診断書など、働くことができない理由の証明となる書類が必要です。

 

退職後の税金はどうなる?

「退職した後は、税金をたくさん支払わなければいけない」そんなイメージはありませんか。

 

新しい職に就く前で収入もない状態の人は、より気になるのではないでしょうか。退職後にかかる税金として、所得税住民税を見てみましょう。

 

所得税

所得税は「1月1日から12月31日までの1年間」の所得に対してかかる税金です。

 

退職をした後でも、その年の1月1日から12月31日までに所得が発生していれば、税金を支払う必要があります。

 

退職金も所得の対象

退職金も所得として所得税の対象になります。ですが、全額が所得税の対象になるわけではありません。退職金は「退職所得」という種類で、他の所得とは別に税金の計算をします。

 

退職金は、長年勤務していた社員に対する手当てなので、退職所得控除という税金の優遇があります。

 

退職所得控除は、勤続年数によって金額が決定します。

 

a.勤続年数20年以下の場合:勤続年数×40万円(80万円未満の場合は80万円)

b.勤続年数20年を超える場合:800万円+70万円×(勤続年数―20万円)

「(退職金―退職所得控除)×1/2」が課税退職所得金額となります。

 

住民税

住民税は、前年の収入に応じて計算される後払い方式の仕組みになっています。住民税は、前年の1月1日から12月31日までの給与を元に、市区町村ごとの算式に基づいて住民税額を決定しています。

 

毎年5月頃に住民税決定通知書を受け取っていませんか?決定した税額を、6月から翌年の5月まで支払っています。

 

会社員は、6月から翌年5月までの住民税を12分割された額が、毎月の給料の中から天引きされています。この天引きされる仕組みを“特別徴収”と呼んでいます。

 

転職先が決まっていれば、新しい職場でも引き続き特別徴収されます。もし、転職先が決まっていなければ、退職前に特別徴収から普通徴収への切り替えの手続きを申請しておきましょう。

 

退職する時期によって支払い方は2つのパターンにわかれます。

 

【1月から5月の間に退職する場合】

住民税は、原則として一括徴収され、退職月から5月までの残りの部分は最後の給料の時に一括で徴収されることになっています。

 

【6月から12月の間に退職する場合】

残りの住民税は、自分で納付しなければいけません。自分で納付することを“普通徴収”といい、普通徴収は年に4回納税(6月、8月、10月、1月)します。

 

もしくは、一括で支払います。6月から12月の退職の場合は一括か分割を選ぶことができます。

 

住民税は免除できる?

特別な事情より、税金を支払うことが困難であると認められた場合には減額・免除されることがあります。基準は自治体によって異なります。

 

一般的に、自己都合による退職の場合は免除の対象とはならないことが多いようです。住んでいる自治体に問い合わせて確認してみましょう。

 

年末調整、確定申告は必要ある?

退職をして、次の職に就いていない場合は確定申告を行いましょう。会社に勤めている時は、年末調整をすることで税金の手続きを行ってくれていました。

 

退職をすれば、会社は代わりに手続きをしてくれません。自分で確定申告を行います。年内に転職しなかった場合は、社会保険料など所得控除になるものを支払っている場合があるので、税金が還付される可能性があります。

 

退職後に必要な生活費

退職は新しい未来への第一歩。しかし、お金がかかるのも事実です。「失業保険があるからなんとかなる」と思っていても、自己都合の場合は3ヶ月の待機期間がありますし、退職後は何かと出費がかさむものです。

 

特に、今まで会社が半分負担してくれていた社会保険料は全額自分で負担しないといけません。さらに、所得税や住民税などの支払いもあります。会社を辞めてしまえば、定期券もなくなり、電車賃など交通費の負担も重くなるかもしれません。

 

もちろん、日々の生活費も必要ですので、退職時には、1年間の生活費と各種社会保険料、税金を合算した貯金は準備しておきたいものです。

 

悔いなく前に進めるようにお金についてもしっかりと確認しておいてくださいね。

 

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おさらい

  • 退職後は「年金・健康保険・失業保険」の手続きが必要であり、それぞれ手続きの期限が決まっています。
  • 退職した後にも、所得税や住民税を支払う必要があり、住民税は退職月によって、支払い方が異なります。
  • 各種手続きが発生する退職後にあわてないように、会社から受け取る書類や手続きに必要な書類についてよく確認しておきましょう。

(最終更新日 : 2018年9月5日)

執筆者

荒木 千秋

ファイナンシャルプランナー、大阪電気通信大学金融経済学部特任講師

現在は、同大学の講師を中心としながら、お金に関する個別相談や、WEB媒体の執筆、女性向けセミナー等を開催。

メガバンクにて、富裕層や法人オーナーを対象とした投資相談業務に従事した経験により、金融商品の販売側と一般の投資者側の両方の視点に立ったお金の知識を伝えることをモットーにしている。

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