もくじ
老後の仕事の考え方
60歳まで一生懸命働いてきたのに、いざ老後資金を試算してみると足りないかもしれない…。早いうちからしっかりと考えておかないと、このような状況に陥ってしまうかもしれません。
理をしない範囲で働き続けて老後生活の備えをすることは検討するべき重大事項なのです。
老後の生活設計をしよう
老後生活をどこでどのように過ごすのか、現在貯めてある老後資金で過不足はないのか、まずは把握することが重要です。予想外の出費などを考えると、ある程度、預貯金をしておき、なんらかのトラブル、予想外の出費にも耐えられる状況を作っておくことが大切です。支出に対して、収入源がしっかりと確保できていれば働かなくても問題ないのかもしれませんが、そのためには早いうちから老後の備えをしておく必要があります。金融商品や不動産投資で老後資金の準備をするという人は、投資にはリスクが伴うことも覚えておきましょう。
60代でも引っ張りだこ!?高齢労働者の必要性
65歳以上の労働者数の比率は年々増加しています。2018年の65歳以上の雇用者数の割合は12.9%になっています。内閣府の『高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向』によると、65歳以上の雇用者数は上昇傾向にありますので、高齢労働者のニーズは今後も上がっていくことが予想されます。
定年退職者の継続雇用は約8割
先のデータによると、60歳定年企業における定年到達者の81.1%は継続雇用をしているようです。企業側は新たに人材を登用するよりも継続雇用したほうがメリットがあると考え、60歳を迎えた雇用者側も新たに仕事を探すよりも、慣れた環境にある今の職場で継続して働くほうが働きやすいと考える双方のメリットがこのような結果になっていると考えられます。
しかし、継続勤務した場合、定年前までの給与と同額がそのままもらえるわけではないので注意しておきましょう。
継続雇用でもらえる賃金は定年時の5~7割程度
独立行政法人 労働政策研究・研修機構によると、60歳を定年とし、以降継続して雇用され続けている人の賃金は、平均的な水準で60歳を境に4分の3ほどに減少しています。継続雇用を希望する人たちの中には、経済的な理由をあげている人たちもいます。賃金は減ってしまいますが、定年時の生活レベルの維持のために継続雇用を選択する人が多いようです。
無理のない働き方を
若いうちにはできた仕事であっても、高齢になるとできなくなってしまうことがあります。体力的な問題や病気、ケガなど理由は様々です。定年前より賃金が少なくなったとしても、長い期間働くことができれば、預貯金等に頼らず生活することができるかもしれません。勤務時間や日数の調整をするなど体に負担の少ない働き方を見つけましょう。
老後生活に合わせた雇用形態の選択
先述した内閣府の調査によると、60歳を境に非正規雇用者率が上昇する結果となっています。この結果は企業側の意向が大きく影響しているところもあるかもしれません。一方で、アルバイトや契約社員など、正社員以外の雇用形態で、定年前よりも自由な時間を作りつつ、最低限必要な老後資金を稼ぐ働き方を選択しているケースが増えているとも言えるでしょう。
定年を迎えた人全員を企業が継続雇用できるわけではありませんが、定年後の働き方の選択肢は一つではありません。
しかし、進む道によってはそれなりの下準備も必要です。第二の人生の選択肢を狭めないためにも、老後の生活設計をしっかりと思い描いておきましょう。きちんと計画を立てることができれば、描いていた快適な老後生活を送るチャンスが訪れるかもしれません。定年後の生活費はいくら必要?今から始める老後計画年金受給資格期間が25年から10年に短縮!【2017年8月から】
頼りになるFPの存在
「お金のことを相談できる場所やサービスがある」ことをご存じですか?
資産形成・家計見直しのプロフェッショナルとして、ファイナンシャルプランナー(FP)がいます。FPに相談することで、お金のお悩みやご不安の解決法のヒントが得られるかもしれません。
ご自分で調べるだけでは不安だという方は、「FPに相談する」という選択肢も検討してみませんか。
おさらい
- 定年まで働いた企業で定年後も継続して働く高齢者は約8割にも及びます。
- 継続雇用の場合、定年前よりも賃金が下がってしまうことがほとんどです。老後の生活設計とお金の設計をしっかりと立て、体に無理のない範囲で続けられる働き方を見つけましょう。