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期間短縮!10年以上の資格期間で年金受給が可能に

期間短縮!10年以上の資格期間で年金受給が可能に

この記事の早わかり要約

  • 制度改正により、2017年8月から、年金保険料の納付期間が10年でも年金が受給できるようになりました。
  • 納付期間が10年の場合、受給額は年間20万円弱ほどです。5年さかのぼって支払える「年金保険料の後納制度」や、免除や納付猶予分を10年さかのぼって納付できる「追納制度」等の内容もよく確認しておきましょう。

10年年金と受給資格期間とは

今まで、老齢年金を受け取るには「25年以上の資格期間が必要」とされてきましたが、年金法が改正され、2017年8月から「10年以上の資格期間」で受給可能になりました。参考:日本年金機構例えば、これまでは20年間年金保険料を払い続けてきたとしても、受給資格期間まであと5年足りないので、このような方は年金を受給できませんでした。今回の改正により、受給要件が従来の半分以下になったので、受給できる人が増える見通しです。

10年の加入で、いくらくらいもらえるの?

本来なら、老齢年金の加入期間は40年。日本年金機構によると、40年間払い続けた人は年間で満額779,300円(平成30年度分)受給できます。では、10年年金の場合は、どのくらいもらえるのでしょうか。受給金額は、年金保険料の払込期間によって決まるので、10年ギリギリしか納入していない場合は、満額の4分の1である、194,825円になります。 1ヶ月に分割すると、1万6千円ほどです。しかし、最近は、“人生100年時代”とも言わています。毎月1万6千円がお財布に入るのと無いのとでは、大きな違いになるのではないでしょうか。 女性の場合、受給が始まる65歳から平均寿命の約87歳まで20年以上も続くことを考えるとその差がよりわかるでしょう。

年金保険料の後納制度と追納

この10年年金のスタートに際して、気になるのは年金未払いの期間です。「あと5年納めれば受給できるのに」と肩を落とした方もいらっしゃるかもしれませんね。2018年9月までは、納付期限が過ぎてしまい、納めることができなかった国民年金保険料を、過去5年分まで払うことができる、「国民年金保険料の後納制度」が使えます。この制度を使って、受給金額を増やしたり、納付年数が足りなかったりした人も年金が受給できるようになるかもしれません。毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」等で、自分の加入期間を確認して対策を立ててみましょう。ねんきん定期便で年金の見込み額がわかる!その見方とは?

国民年金保険料免除・納付猶予制度

年金保険料の納付は20歳以上60歳未満の方に義務づけられていますが、万が一、現役世代で「生活が苦しくて年金保険料を払えない」などという場合は、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」の手続きをしておきましょう。国民年金保険料免除や納付猶予期間は、年金の受給資格期間に算入されます。ただし、この期間の年金受給額は、免除の場合は2分の1に、猶予の場合は0など、状況に応じて減額されます。
また、この免除や猶予期間分の年金保険料は、「追納」といって、申し出により10年以内であれば納付することができます。長い人生、何があるかわかりません。備えられる時には、なるべく備えを固めましょう。 年金保険料の後納制度や追納を使って納付した国民年金保険料は、全額社会保険料控除の対象となりますので、所得税住民税の納税額が少なくなります。まずは自分たちに関わりの深い年金制度について、よく理解しておきましょう。

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おさらい

  • 制度改正により、2017年8月から、年金保険料の納付期間が10年でも年金が受給できるようになりました。
  • 納付期間が10年の場合、受給額は年間20万円弱ほどです。5年さかのぼって支払える「年金保険料の後納制度」や、免除や納付猶予分を10年さかのぼって納付できる「追納制度」等の内容もよく確認しておきましょう。

(最終更新日 : 2021年1月5日)

執筆者

大倉 愛子

ファイナンシャルプランナー、ライター

投資歴30年。国土交通省交通運輸記者会所属の専門紙編集長を務める。

難しい金融用語をわかりやすく伝えることがモットー。

「金融知識を増やすことが、お金の不安から解放される第一歩!」

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