もくじ
医療保険に加入するその前に
「持病があっても入れます」というようなCMを見かけたことはありませんか?医療保険には通常の医療保険の他に、「引受基準緩和型医療保険(以下、緩和型医療保険)」や「無選択型医療保険」など、持病があっても比較的加入しやすい保険があります。入院や病気の経験がある人ほど自分の経験から「医療保険に加入した方がいいのかな」と思うことがあるかもしれません。医療保険に加入する前に、公的な健康保険の制度を理解しておくと、自分にとって必要な保障を考えやすくなります。その上で、健康保険だけではなく医療保険に加入した方が安心できるという人は医療保険を検討してみると良いでしょう。医療費は、健康保険に加入している6歳以上(義務教育就学後)70歳未満の人であれば、かかった医療費のうち7割は健康保険が負担してくれます。自己負担分は3割で、治療にかかった医療費を全額支払うわけではありません。
また、自治体によっては、独自に子どもの医療費助成を設けているところもあるので、一度確認してみると良いでしょう。
また、高額の医療費がかかったときには高額療養費制度もあります。高額療養費制度とは、支払った医療費が国の定める「1ヶ月の医療費の自己負担の上限金額」を超えたとき、申請すると超過分を支給してくれる制度です。高額療養費制度とは?医療費が高額になったらまずチェック上限は所得に応じて決められています。このように、医療に関しては手厚い国の制度が準備されています。
一方で、自己負担になる費用もあります。入院時の差額ベッド代や先進医療の技術代などは健康保険の対象外で全額自己負担です。これらの費用をカバーする目的で必要に応じて医療保険を検討してみると良いでしょう。
緩和型医療保険とは?告知はどうする?
持病があったり、過去に病気をしたりして医療保険には加入できないかも……と考えている人も諦めないでください。ここでは「緩和型医療保険」と「無選択型医療保険」の2種類を見ていきます。緩和型医療保険の特徴は告知内容が通常の医療保険よりも簡易的なことです。そのため、各保険会社が定める一定の健康条件を満たすことで、保険に加入できることがあります。持病の悪化や再発したときの入院なども保障の対象になっているものもあり、健康に不安がある人をサポートする内容となっています。無選択型医療保険は、診査や告知を一切せずに加入できる医療保険です。健康状態に不安のある人向けで、告知がないため医療保険に加入できる可能性は高くなります。しかし、治療中の病気や既往症は対象外となるものもあり、商品数も限られています。
緩和型医療保険のデメリット
緩和型医療保険のデメリットを確認しましょう。まず、緩和型医療保険は通常の医療保険よりも保険料は割高になります。緩和型医療保険の中には、加入後1年間は入院給付金や手術給付金を削減しているものもあります。医療保険に加入できて安心は手に入れたけれど、自分が望む保障内容ではなかったと後々後悔しないためにも、保険料と保障内容に注目して検討しましょう。
また、無選択型医療保険は緩和型医療保険よりさらに割高になったり、90日程度の免責期間があったりと、さらに条件が厳しくなります。持病等により、緩和型の医療保険を検討している人でも、まずは通常の医療保険に加入できないかを確認してみましょう。心配な方は専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみると良いでしょう。
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おさらい
- 医療保険には「引受基準緩和型医療保険」や「無選択型医療保険」など健康状態に不安がある人でも比較的加入しやすい保険があります。
- 緩和型医療保険に加入するときは、公的な健康保険の保障範囲も踏まえた上、各商品の保険料と保障内容を比較して検討しましょう