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配偶者控除改正 「103万の壁」への影響は?(2021年対応)

配偶者控除改正 「103万の壁」への影響は?(2021年対応)

この記事の早わかり要約

  • 平成30年の税制改正以降、パート主婦(夫)の「年収103万円の壁」が150万円に拡充されました。
  • 配偶者控除・配偶者特別控除を上手く活用するためには、106万円の壁・130万円の壁について理解が必要です。

配偶者控除はどう変わる?わかりやすく解説

配偶者控除・配偶者特別控除の見直しが行われたことにより、38万円の控除が受けられる年収要件が103万円以下から、150万円以下に広がります。
配偶者控除とは、年収103万円以下で働くパートやアルバイトの主婦(夫)などの、配偶者の所得から38万円を控除する、という減税措置のことです。
103万円を超えた場合、配偶者特別控除の対象として、配偶者の年収が201万6千円以下に限り、3万円~38万円までの控除を受けることができます。
平成30年の改正から、配偶者控除の控除額である38万円の適用範囲を広げるため、配偶者特別控除でも配偶者の年収が150万円以下であれば最大38万円*の控除対象となりました。
*納税者の収入により、控除額が異なります。
また配偶者特別控除の上限額についても、141万円から201万6千円へ変更となりました。
配偶者特別控除は、配偶者控除の対象者と非対象者との差をなだらかにするための措置です。そのため配偶者の収入が増えるほど控除額は減り、年収が201万6千円を超えた場合は、控除が受けられなくなります。また納税者本人の年収が1195万円を超える場合にも控除対象外となります。
(納税者の年収が1195万円以下の場合、配偶者の年収によって控除金額が異なります。)

配偶者控除の上手な使い方と、その他制度について

「103万円の壁」から、「150万円の壁」へ制度が拡充された配偶者控除・配偶者特別控除。しかしながら、配偶者の年収が103万円以上150万円以下の方に対しては、実際の手取りが増えるかどうか考えなければならないポイントがいくつかあります。以下より納税者本人を夫、配偶者を妻と置き換え確認していきましょう。

【その1:130万円の壁】

「年収130万円を超えると、夫の扶養から外れるのでは?」
これが、130万円の壁です。年収が130万円以下の妻は、国民年金の第3号被保険者となり、年金保険料を自身で負担しなくて良いことになっています。
130万円を超えると、一般的に「扶養から外れる」と呼ばれる状態になり、年金保険料を負担する必要があります。
103万円の壁と混同されやすい130万円の壁について気になるという方は、下記よりご確認ください。
平成30年配偶者控除改正 税制と社会保険への影響とは

【確認ポイントその2:106万円の壁】

「従業員数501人以上の企業は、週20時間以上働く従業員へ社会保険の適用義務があるのでは?」
これが、いわゆる「106万円の壁」です。平成28年10月から従業員数501人以上の企業は、以下の要件を満たす雇用者に対し、社会保険(健康保険厚生年金保険)加入を義務付けられました。
また平成29年4月には、以下の要件の下、従業員数500人以下の企業について、労使の合意により適用可能となりました。
<要件>
・週20時間以上働いている
・月収8万8千円以上
・雇用期間が1年以上の見込み
・学生でない
月収8万8千円を年収計算すると、約106万円になります。そのため「106万円の壁」と呼ばれています。
妻の雇用条件が上記の要件に当てはまる場合、厚生年金や健康保険に加入義務が発生します。すると、自己負担額が増え手取り収入は減ってしまいます。

【確認ポイントその3:配偶者手当】

「配偶者手当、夫の会社の年収制限は?」
配偶者手当は、企業によって呼び方は様々ですが、配偶者のいる人への手当のことで、現在、企業の約7~8割が導入しており、支給額は月に1~2万円です。各企業が設けている年収制限を超えてしまうと、支給対象外となり、その分の手取り収入が減額します。
近年では、配偶者手当の在り方についての検討が進んでおり、制度を廃止した企業も多くあるようですので、配偶者手当制度の有無や、年収制限について確認しておきましょう。

上記3つのポイントと、妻の年収により、家庭の手取り金額に差が生じることが分かりました。妻の年収が150万円以下であれば、適用控除額は配偶者控除と同様に38万円ですが、103万円以下(配偶者控除)と150万円以下(配偶者特別控除)では、社会保険の加入義務などにより、最終的な家庭の収入が減額してしまう可能性があるのです。
以上のことに注目して考えてみると、パートでのぴったりな働き方が見つかるかもしれません。
※本記載は、2021年1月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。

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おさらい

  • 平成30年の税制改正以降、パート主婦(夫)の「年収103万円の壁」が150万円に拡充されました。
  • 配偶者控除・配偶者特別控除を上手く活用するためには、106万円の壁・130万円の壁について理解が必要です。

(最終更新日 : 2024年8月23日)

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