もくじ
外貨建て保険とは?
生命保険には多くの商品がありますが、中には外貨で運用される「外貨建て保険」と呼ばれる商品があります。円で運用される保険でも、その内容を完璧に理解することは難しいのに、外貨建て保険となると、さらにわかりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、外貨建て保険の特徴について詳しく見ていくことにしましょう。契約者から支払われた保険料は保険会社によって外貨で運用されます。その運用されたお金は、円、もしくは外貨で、保険金、解約返戻金として返ってきます。
つまり、外貨建て保険とは、保険料の支払い、保険金の受け取りなどが、外貨ベースで行われる保険です。例えば、月々の保険料の支払いが50ドルであった場合、1ドルが100円なら5,000円となりますが、円高で1ドル90円になると4,500円に、円安で1ドル110円になると5,500円となります。同様に、保険金が10万ドルだったとします。受け取り時に1ドル100円だった場合、保険金は1,000万円となりますが、1ドル90円になると900万円に、1ドル110円になると1,100万円になるのです。
このように、外貨建て保険は、為替相場の変動によって保険料の支払額、保険金の受取額も変動する商品です。外貨建て保険を契約する時は、為替相場の変動リスクを念頭に置いておきましょう。
外貨建て保険のメリット
次に外貨建て保険のメリットを見ていきましょう。
保険料が割安
外貨建て保険は、日本で一般的に販売されている保険と比べると、保険料が割安となっています。これは、日本と海外の金利差が影響しています。日本は2016年2月よりマイナス金利政策が実施され、超低金利時代が続いており、保険での資産運用が難しい状況となっています。しかし、海外では日本よりも金利が高い場合があり、保険の運用がしやすく、その分、安い保険料が実現するのです。
資産の分散ができる
外貨建て保険を契約することで、資産を円だけでなく、海外の通貨に分散させることができます。円は、世界で有事が発生した時に買われやすいなど、比較的安全な資産と見なされていますが、投資の基本は分散投資です。地震や災害などの天災の影響で日本の景気が悪くなり、円の価値が下がるということもあり得ます。そのような万が一に備え、円だけでなく、他の通貨で資産を持つことは、資産の保全に有効です。
円安になれば受取額が増える
契約した時よりも、満期時、解約時に円安となっていれば、受取額は増加します。このように、為替相場の変動によるメリットが受けられるのも外貨建て保険の特徴と言えるでしょう。
外貨建て保険のデメリット リスクはあるの?
では次に外貨建て保険のデメリットを見ていきましょう。
受取額が少なくなる場合がある
契約した時よりも、満期時、解約時に円高となっている場合は、受取額は減少してしまいます。外貨建て保険は為替相場の変動による影響を受けやすいハイリスク・ハイリターンの保険と言えます。
手数料がかかる
外貨建て保険の場合、保険料の支払いや保険金の受け取りで、外貨から円に両替する際に手数料が発生します。この手数料は契約者の負担となります。また、保険の運用に関する諸経費がかかりやすいこともあり、途中で解約するほど、解約返戻金が支払保険料を下回る可能性が高いということもあります。
受取額の目途がたてづらい
保険の満期は10年後、20年後など数十年後となることが多いですが、10年後、20年後の為替相場の変動状況を予測することは困難です。将来は、大幅な円安になっている可能性もありますが、大幅な円高となっている可能性もあるのです。
このように、外貨建て保険は、海外の比較的高い金利で運用できるメリットがある反面、為替相場変動のリスクを抱えています。
外貨建て保険に加入する時は、メリット・デメリットを理解した上で、契約するようにしましょう。また、資産運用を考えている方は、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみると良いでしょう。ここでは外貨建て保険について詳しく見てきましたが、外貨投資には、他にも外貨預金や外貨債権などの方法もあります。外貨投資をする上でのメリットをまとめましたので、ご興味のある方は下記よりご確認ください。初心者でも外貨投資がわかる。外貨投資の3つのメリット
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おさらい
- 外貨建て保険は、保険料が外貨ベースで運用される保険で、為替相場の変動を受けやすいという特徴があります。
- 保険料が割安、資産分散ができる、円安になると受取額が増えるというメリットと、両替時の手数料がかかる、円高になると受取額が減るなどのデメリットを合わせ持っています。
- 資産運用のために外貨建て保険を考えている人は、為替リスクがあることをしっかりと理解し、ときにはお金のプロであるFPに相談し、マネー計画を立てると良いでしょう。