もくじ
がんを取り巻く事情の変化
人の一生のうち、2人に1人ががんになると言われる時代(「最新がん統計」より)になり、世の中的にも年々がんへの関心は高まっています。
生命保険文化センターの「令和元度生活保障に関する調査(速報版)」によると、民間の生命保険会社、JA、県民共済・生協等で取り扱いのあるがん保険・がん特約の加入率は42.6%、民保加入率は37.5%と、3人に1人ががんへの備えをしていることがわかります。どちらの加入率も平成13年以降増加が続いています。
では、女性特有のがんへの対策はどうでしょうか。代表的なものに乳がんと子宮がんがありますが、国立がん研究センターの男女別がん検診受診率の推移を見ると、乳がん検診44.9%、子宮がん検診42.3%となり、こちらも3人に1人が検診を受診していることが伺えます。
令和元年簡易生命表によると、日本人女性の平均寿命は87.32歳ですが、寿命がのびるということは、病気のリスクも高まるということです。
万が一に備えたいと思う人はこらからますます増えるでしょう。そこで今回は女性に特化し、保険の選び方について詳しく見ていきましょう。
医療保険の選び方
最近では、以前に比べ入院日数が短期化しています。数年前に比べて、医療技術は格段に進歩していますが、顕著にあらわれているのが治療方法の変化です。また、それに伴い変化しているのが医療保険です。
昔は今よりも入院日数が長い傾向にあったので、医療保険は入院、手術に重きを置いていました。医療技術がめざましい進化を遂げた近年では、通院や短期間での入院という治療方法が主流になってきています。
もし5年以上前に医療保険に入ったきりという方がいらっしゃいましたら、一度ご自分の加入している保険を確認してみると良いでしょう。
保険に入っているから大丈夫!と思っていたら、入院・手術の保障のみで通院に対応していなかったというケースはめずらしくないのです。
これから医療保険を検討する、見直しをするという方は、通院保障があるかどうかを1つの目安にしてみてもいいかもしれません。
医療保険に種類はあるの?特約の種類もさまざま
がん保険の選び方
がんの場合の入院日数はどうなのでしょうか。がんになってしまったら長期入院が必要と思われている方も多いかもしれませんが、がんも他の病気と同様に入院日数の短縮化が進んでいます。
例えば、開腹手術に比べ、体に負担の少ない腹腔鏡手術を行った場合、開腹手術よりも手術前後の入院日数が少なくなったり、抗がん剤治療も通院で行えるようになったりと、がん保険にも技術や薬剤の進歩という背景が影響しています。
手術を要する乳がんの入院の場合も、11日前後で退院できるほどなのです。しかし、忘れてはいけないのが、がんは転移の可能性がある病気ということです。特に乳がんは転移が多いと言われています。
参考:平成29年(2017)患者調査の概況
1つのがんでの入院日数は思っているよりも短いということがあるかもしれませんが、複数の臓器でがんが見つかってしまった場合、それだけ入院日数がのびてしまう可能性もあるということを考えておかなければいけません。
また、がん保険は入院保障だけでなく、診断一時金が出るもの、がんと診断されたらその後の保険料の支払いが免除になるもの等、種類は様々ですし、商品によって保障の範囲が異なります。また、一般的に免責期間があるということも覚えておきたいポイントです。
さらには今主流の治療方法や、放射線治療、抗がん剤治療への保障は必要かといったことまでを考えることが必要なのです。
がん保険の種類と特徴をチェックしよう!
がん保険、結局何を選べばいいの?
残念ながら、全員に共通するような保険の正しい選び方はありません。がん保険が必要と考える人もいれば、医療保険だけで十分と考える人もいるでしょう。
また、月々の保険料や、身内でがんに罹患した人がいるかによってもがんへの捉え方が変わります。例えば、保険での備えではなく、治療費のために現金を貯めておくといったことも選択の1つです。
手段はいろいろありますが、何よりも危険なのが、現状を正しく把握していないことです。
一生のうち、2人に1人ががんになる時代ですから、今主流の治療方法を知ること、万が一を想定してどこまで保障を備えておくかを考えること、保険に入っている場合は保障範囲が自分に合ったものなのかを知ることが何よりも重要だと言えます。
がん保険の現状や選び方がわかったら、給付金の種類についてもおさえておきたいポイントです。下記にまとめましたので、ぜひご確認ください。
がん保険の給付金の種類を知ろう!医療保険との違いもチェック
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おさらい
- 一生のうち、2人に1人ががんになる時代。平均寿命がのびるのはいいことですが、長生きする分だけ病気のリスクが高まることを知っておきましょう。
- 医療技術の進化とともに保険の保障内容も日々進化しています。
- 保険は千差万別です。今の医療技術に対応しているのか、自分に合った保障内容なのか等、しっかりと内容を確認しましょう。