もくじ
返戻率とは
子どもが生まれたら「学資保険」を考える方もいるかと思いますが、その際に気になるのは返戻率(へんれいりつ)ではないでしょうか。今回は、返戻率がなぜ重要なのか、また返戻率を見るポイントについて詳しく説明します。
返戻率とは、支払う保険料に対して受け取ることができる金額(満期保険金、お祝い金)の割合のことを言い、式で表すと次のようになります。
返戻率 (%) = 受取総額(満期保険金+お祝い金) ÷ 支払総額 × 100
つまり、返戻率が高ければ高いほど、手元に戻ってくる金額が多くなるということです。例えば、保険料の支払総額が200万円で受取総額が220万円の場合の返戻率は110%となります。
戻ってくる金額が多いのならば学資保険に入ろうと思う方もいるでしょうが、学資保険には返戻率が100%を下回る商品も存在するので注意が必要です。
ではなぜ返戻率の高い商品と低い商品があるのでしょうか?それは、返戻率の低い商品は、契約者である親が死亡した際の死亡保障がついていたり、入院や手術の特約がついていたりと、積立以外の部分が充実しているからです。
子どものためにも学資保険の準備を!すぐに分かる学資保険の説明
子どもが生まれた時の見直し事例
学資保険の返戻率を高めるポイントとは?
生命保険が「もしもの時に備える」保険であるのに対して、学資保険は「教育費に備える」ことを目的とした、積立要素の強い保険になります。ですので、返戻率は、学資保険を選ぶ上で非常に重要ということになります。
しかし、返戻率だけを見て、返戻率の高いものを選べばいいのかというと、必ずしもそうとは言えません。また、同じ保険商品でも契約の仕方によって、返戻率を上げることができるので、その方法をご紹介します。
保険料の支払いはまとめて
保険料の支払い方法は毎月支払う月払いが一般的ですが、保険料の支払い方法には、半年払い、年払い、一括払い、全期前納払いなどがあります。
商品によっては、対応していない支払方法もありますが、一般的に年払いや全期前納払いなど、まとめて支払う払い方は月払いよりも保険料が安くなることが多くなります。結果的に、受取総額に対して支払う保険料が安くなり、返戻率が上がります。
払込期間はできるだけ短く
支払い回数を減らすことと同様に、保険料の払込期間を短縮することでもまた、支払う保険料を抑えることができます。
18年と15年であれば、15年の方が支払総額が抑えられますが、単月、単年度の支払額は多くなりますので、注意が必要です。その年数で支払いが可能かどうかよく検討して決めるようにしましょう。
まとめて受け取る
学資保険では、満期保険金の受け取り以外に、小学校や中学校などの入学時にお祝い金を受け取ることができるものがあります。
お金のかかる入学時期にお祝い金を受け取ることができるのは嬉しいことですが、お祝い金を毎回受け取るのではなく、途中で受け取らずに据え置きにしておくと、受け取らない期間の据え置き利率などにより受取額を増やすことができます。
というのも、お祝い金はプレゼントされるのではなく、自分が積み立てた金額から支払われるので、お祝い金を受け取ると積立金額が減ってしまうことになるからです。
ほかにも、兄弟姉妹で同じ学資保険に入ることで返戻率を上げることができる保険商品などもあるので、お子さんが多い家庭で余裕があれば、このようなシステムも積極的に利用すると良いでしょう。
学資保険の加入時期と受け取りタイミングはいつがいい?
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おさらい
- 返戻率とは、支払う保険料の総額に対して、受け取ることができる保険金の総額の割合のことを言います。
- 保険料の支払い方法、払込期間、保険金の受け取り方などによって、返戻率を上げることが可能です。
- ちょっとした工夫で返戻率を上げることができますが、家計の負担にならないよう、また必要な時期に保険金が受け取れるよう計画的に考えることが大切です。