もくじ
がんになったときの出費はどれくらい?
今や、一生のうち2人に1人はがんになるとも言われている(※)この時代、がんに対する不安を抱えている人もいるでしょう。厚生労働省の調査によると、日本人の死因のトップは1981年以降がんです。
※国立がん研究センター「最新がん統計」
では、そんながんに対して私たちはどのような備えが必要なのでしょうか。また、がん保険とはどのような保険で、果たして加入する必要はどれほどあるのかをご紹介します。
がんに罹患してしまった場合、医療費はどのくらいかかるのでしょうか。全日本病院教会の調査によると、胃がんは16.1日の入院で985,154円(※)、結腸がんは15.0日の入院で964,653円、直腸がんは14.6日の入院で1,019,524円と、がんの入院費用には高額な費用の負担が必要だとされています。
※ここで示している金額は、1入院費用にかかる医療費(健康保険適用前)で、実際に各自が負担する金額とは異なります。
全日本病院協会 平均在院日数(2019年度10‐12月重症度別)
全日本病院協会 医療費(2019年度10‐12月重症度別)
しかし、入院費の他にも、差額ベッド代やリハビリ代、入院中の食事代などの出費もあり、がんになった場合、仕事ができなくなってしまうリスクを考えると、十分な貯蓄がなければ、出費は相当痛手になり得ます。また、退院後の治療でも出費がかさみます。
そのようなときの備えとして考えたいのががん保険です。がん保険は一体どのような保険なのでしょうか。
がん保険とはどんな保険?
がん保険に加入していれば、万一のときには次のような保障が受けられます。保障には、がんと診断されたときに給付される一時金としての「診断給付金」や、がん治療のために入院が必要になった際の「入院給付金」、がんで所定の手術を受ける際の「手術給付金」、抗がん剤治療などで通院が必要な際の「通院給付金」等があります。
がん保険と一般的な医療保険の違いは、入院給付金に上限がないという点です。がんは、ほかの病気に比べ入退院を繰り返すことの多い病気です。
医療保険では、同じ病気で退院してから一定の日数をあけずに入院を繰り返してしまった場合、入院給付金が支給されないこともあります。しかし、がん保険ではそのようなことはなく、入院給付金の支払限度日数は無制限であるという特徴があります。
がん保険の必要性を考える
このようにがんになった際には、加入しておけば心強い”がん保険”ですが、がん保険には次のような点があることも覚えておきましょう。
がん保険の診断給付金は、1回目のがん診断でしかおりないケースや、上皮内新生物では給付金の支払対象から外されてしまうケースがあるので、がん保険を選ぶ際には慎重に条件の確認を行いましょう。
また、がん保険には約90日間の「免責期間」が存在します。これは、加入してから一定の期間中にがんと診断がなされても、保険がおりないという待機期間のことです。待機期間は自分でがんの疑いを感じた際の駆け込み加入を避ける目的があります。条件の確認を入念に行うようにしましょう。
冒頭で、がん治療には高額な医療費がかかる可能性があるということをお伝えしましたが、個人負担額を減らす高額療養費制度というものがあることをご存じでしょうか。
高額療養費制度は、健康保険に加入している人が対象で、ひと月の負担が高額になった場合、自己負担上限額を超えた分が後で返ってくるという制度のことです。
健康保険加入者の年齢や所得により、医療費負担額の上限が異なりますので、ご自分の場合の上限額がいくらなのか確認しておくと安心です。私たちの助けになる制度ですが、自分で申請を行う必要があり、ほかにも条件や要件があるので、もしものときのために覚えておきましょう。
高額療養費制度とは?医療費が高額になったらまずチェック
このように、高額の医療費がかかっても、実質の負担額はそこまで大きくならない可能性があることを考えると、がん保険への加入を悩む人もいるでしょう。
がん保険に加入しても、月々の保険料がかさみ、治療費も全額保障されている訳ではないので、この保険料を貯蓄にまわしたいという気持ちもあるかもしれません。
自分や家族にがん保険が必要か一度じっくり考えてみましょう。特に十分なお金の備えがない、健康面が不安という人は、安心のためにもがん保険への加入を検討しておくと良いでしょう。
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おさらい
- 今や一生で2人に1人ががんになると言われている時代。日本人の死因トップは1981年以降がんが続いています。
- がん保険に加入していると、万一のときに、診断給付金・入院給付金・手術給付金・通院給付金などの保障が受けられます。
- お金の備えがない、健康面が不安という人は、安心のためにもがん保険を検討しておくと安心ですが、事前に条件の確認を入念に行いましょう。