もくじ
年末調整はなぜ必要なの?
年末調整シーズンの到来です。会社勤めをしている人は、必要書類の提出を求められる時期でしょう。しかし説明文を読んでも今ひとつ分かりにくい書類が多く、苦手意識を持っている人もいるかもしれません。年末調整では1年間に給与から源泉徴収されていた所得税を、確定した給与額により再計算し、納めた税額の方が多く差額分が発生すれば、還付が受けられます。逆に少ない場合は追徴となります。年末調整ではいろいろな控除を差し引いた上で所得税を計算することになります。今年はマイナンバー制度の開始もあり、事務処理の煩雑化が懸念されますが、ぜひしっかりと書類を作成し、控除漏れがないように気をつけましょう。
年度中に扶養の変更がないかチェック
控除を受けるためには、いくつかの書類を提出する必要があります。職場から「扶養控除等申告書」「配偶者特別控除申告書又は保険料控除申告書」をもらったら、どの項目が自分や家族に当てはまるかを確認してください。「扶養控除等申告書」には、配偶者控除と扶養控除について記入します。給与所得者と生計を一つにする配偶者や年齢16歳以上の親族で、合計所得金額が38万円以下(給与の収入金額が103万円以下)の人が該当します。
さらに障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、勤労学生控除などを記入する欄もあります。気をつけたいのは年の中途で異動が生じたときです。控除内容が変更になるので、しっかりと確認しておきましょう。
保険料や住宅ローンの証明書は大切に
「配偶者特別控除申告書又は保険料控除申告書」には、配偶者の所得額が38万円超76万円未満(給与の収入金額が103万円超141万円未満)の際に記入します。また生命保険、地震保険などの保険料、給与天引き以外の社会保険料、小規模企業共済等掛金を支払ったときも記入します。保険会社から送られてくる保険料控除証明書などを忘れずに添付しましょう。
さらに気をつけたいのが、住宅ローンを支払っている人の場合です。ローンを組んだ最初の年分については確定申告が必要ですが、2年目からは税務署から送付された「住宅借入金等特別控除申告書」などを勤務先に提出しましょう。その際、銀行から送付される住宅ローンの年末残高証明書を添付するのを忘れないように気をつけましょう。
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おさらい
- 払いすぎた税金の還付を受けるためにも年末調整の書類は不備のないように作成しましょう。
- 年の中途で異動が生じたときは控除内容が変更になるので注意が必要です。
- 保険料や住宅ローンも控除の対象となるので、必要書類を用意し申告漏れにならないように気をつけましょう。