2018年度の税制改正の大枠は、私たちの生活に影響がある項目が目白押しです。では実際にどのような影響があるのかを見ていきましょう。
もくじ
会社員は年収850万円で増税
2018年度の税制改正大綱の一番のポイントは“所得税”です。今回の税制改正は、働き方の多様化を踏まえてさまざまな形で働く人の税制上のバランスを取る狙いがあります。2020年1月から、所得税の仕組みを見直す予定で、年収850万円を超える給与所得者への影響が大きくなります(※22歳以下の子どもがいる世帯・介護が必要な世帯は対象外)。会社員の給料は“給与所得”という所得の種類に分類されています。給与収入は、1年間の給与等に対して“給与所得控除”という、国が定めている金額を必要経費として差し引き、その他の控除を引いて所得税が決まっていきます。
今回の税制改正で、給与所得控除が改正されることになったため、年収850万円を超える会社員の手取り金額に影響が出てくることになりました。
具体的な内容は、給与所得控除が一律10万円減り、控除の上限金額が220万円から195万円まで引き下げられます。また、年収850万円を超える会社員の控除枠を縮小する予定です。一方で、所得がある全ての人が差し引ける“基礎控除”は、これまでの38万円から10万円上乗せで一律48万円となり、自営業などの人にとってプラスの影響になります。ただし、年収850万円を超える高所得者は基礎控除が上乗せされても、給与所得控除の減額が大きくなり、増税となる可能性が高いです。
たばこも、旅行も増税!
所得税以外にも、増税が予定されているものもあります。2018年10月からは、紙巻たばこが1本あたりの値段を段階的に1円ずつ引き上げ、4年で3円の増税となります。加熱式のたばこも5年間で段階的に税金を引き上げることになっています。2019年1月からは“国際観光旅客税”として日本出国時に、1回につき1人1,000円の徴収を予定していますし、10月には消費税率が8%から10%へと引き上げられる予定もあります(2018年中に最終決定予定)。2020年10月には酒税も見直されます。ビール・ワイン・第3のビール等でそれぞれ減税と増税が行われ、最終的に税金を統一し、一本化する予定です。
2024年からは“森林環境税”として、住民税に1,000円を上乗せすることも予定されています。このように、今後は個人にとって税金の負担が増えていくことになり、家計にも影響が出る恐れがあります。
増税を乗りきるには?
年収や働き方によっては、年間の増税額はそれほど多くないかもしれません。だからといって、一安心して終わってしまうのはもったいないことです。ふるさと納税やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、収入を増やす工夫や税制メリットを使う工夫など、将来の準備をすることがますます必要になってきます。ふるさと納税の仕組みを解説!イデコとは?対象が広がった個人型確定拠出年金これからは、税金の知識や準備があることが私たちの未来の生活の支えになってくれることでしょう。令和6年度 税制改正大網
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おさらい
- 2018年度の税制改正の焦点は“所得税”で、年収850万円以上の会社員への影響が大きくあらわれます。
- 所得税の他にも、生活に関わりの深いたばこ、お酒、旅行なども増税の予定です。