貯蓄 , 保険

保険で貯蓄ってどういうこと?貯蓄型保険ってあるの?そんな疑問を解決!

保険で貯蓄ってどういうこと?貯蓄型保険ってあるの?そんな疑問を解決!

この記事の早わかり要約

  • 保険=貯蓄ではなく、保険≠貯蓄です。
  • 保険は本来の保障という目的の他にも、将来的な資産形成の手段として役立てることができます。
  • 保険の役立て方や加入の目的、解約返戻金や満期返戻金の使い道をよく考えておきましょう。

貯蓄とは?

皆さんの中には、「貯蓄型保険」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
保険で貯蓄とは、一体どういうことなのでしょうか?今回はその気になる疑問について見ていきましょう。
結論を先に言うと、資産形成の手段として、保険を活用することはできます。しかし、「保険」と「貯蓄」には大きな違いがあるということをまずは押さえておきましょう。
そもそも貯蓄とは何か?というところから考えていきましょう。貯金とは意味合いが異なるのでしょうか。
日頃から、「貯金をしよう!」「貯金がなかなかできない」という言葉を言ったり聞いたりすることがありますよね。
貯金とはお金を貯めることを言い、銀行や郵便局で預け入れしたお金のことを預貯金と言います。
貯蓄には預貯金といったお金だけではなく、金融資産全般が含まれ、貯蓄とは、それらを蓄えることや金融資産自体のことを指します。
不動産、証券などの金融的な価値があるものが含まれ、対象範囲は貯金よりも広がります。さらに、保険も貯蓄の中に含まれます。ここでようやく保険の登場です。

保険とは?

ここでの保険とは、生命保険のことで考えていきます。私たちは普段何気なく暮らしている中でも、突然の病気の発症や死亡など、さまざまなリスクを抱えています。
そんな万が一の事態が起きたときに、一定の契約の元、保障を備えることができるものが保険です。
このように、保険には「保障」という一番大きな役割があります。一定の保険料を支払うことで私たちは安心を持つことができますが、資産を蓄えることを指す貯蓄と保険の大きな違いがここにあります。
貯蓄は金融資産のこと、もしくはそれを蓄えること、保険は保障という役割を持ちつつも、場合によっては資産形成の手段として活用することができるものです。

保険で貯蓄は成り立つの?その考え方とは

保障期間が一定期間である「定期型」なのか、一生涯の保障がある「終身型」なのか、万が一のことが起きたときの保険金額はいくらなのか等、保険の内容や種類は契約時に決めることができます。
同じ種類の保険に別の人が加入したとしても、一方が特約を付加していれば、保障内容は変わりますし、一口に保険と言ってもいろいろな種類やパターンがあります。
それを踏まえて、「保険で貯蓄」は可能なのかということを考えてみましょう。保険の種類は、「解約返戻金」や「満期保険金」の有無ということでも分けることができます。
「貯蓄」を考える上で、実際の資産として、自分の手元にどれくらいあるのか、どのくらい増やすことができるのかが、一番気になるポイントではないでしょうか。
100万円を使わないでそのまま自宅に置いていたら、貯蓄額としては変わりませんし、100万円を運用して110万円の価値になれば貯蓄額が増えたことになります。
そこで保険はどうでしょうか。保険には解約をすると解約返戻金が戻ってきたり、満期を迎えると満期保険金を受け取れたりするタイプがあります。
本来の目的である保障に加えて、一定の条件を満たせばお金が受け取れるというものです。そのようなタイプの保険には下記のような種類があります。
・終身保険(死亡保障)
・学資保険
・年金保険
・養老保険
反対に、解約返戻金や満期保険金がないタイプの保険であれば、受け取れるお金はありません。
純粋に保障という機能に特化しているので、資産を蓄える機能はないということです。
つまりここでは、受け取れるお金がある保険について見ていけばいいということです。次からメリットデメリットを見ていきましょう。

解約返戻金や満期保険金のある保険のメリット

1.お金の受け取り方の使い分けができる

これらの保険には、死亡や病気、ケガなど、いざという時に保険金(給付金)が受け取れるという保障の側面と、解約すれば解約返戻金が、何事もなく満期を迎えれば満期保険金を受け取れるというそれぞれ別の側面があります。
そのときの状況に応じて、お金の受け取り方の使い分けができるということです。
保障として保険を活用すれば、保険本来の目的を果たしたことになりますし、子どもが成長して保険を見直して、別の保険に加入したということであれば、解約返戻金を受け取れる場合もあります。
受け取ったお金を、両親の老後資金として蓄えるなど、さまざなな使い道が考えられます。
加入する商品や保険料の支払い方法や期間、解約する時期等によって解約返戻金や解約返戻率(支払った保険料に対する解約返戻金の割合)は変わってきます。契約時によく確認しておきましょう。
ただし、お金を受け取れるからといって喜んでばかりはいられません。その理由は後程ご説明します。

2.資金準備の方法として活用でき、お金を貯める仕組み作りがしやすい

例えば、学資保険であれば、子どもの教育費を準備することを目的とした保険です。このように保険を資金準備として活用する人もいるでしょう。
教育費準備の手段として、預貯金やジュニアNISAなどもありますが、下記の理由から、保険を活用すると資金準備の仕組みが作りやすくなります。
・貯蓄が苦手という方でも、保険料が自動的に口座から引き落とされることで、貯蓄の意識なく、資金を準備しやすい
・途中解約のデメリット(後述します)から、解約することなく保険を継続しやすい
毎月余った分だけ、貯蓄にまわすという方や、すぐに引き落としができるとつい使ってしまうという方は、仕組み作りをすることで、計画的に資金準備がしやすくなるかもしれませんね。
さらには、保険料引き落とし後の残ったお金でのやりくり術が身につくかもしれません。
教育費準備には保険?ジュニアNISA?何がいい?

解約返戻金や満期保険金のある保険のデメリット

1.保険料が高い

解約返戻金がない、もしくはあってもわずかなタイプに比べると保険料は割高になり、その分家計への負担も大きくなります。

2.解約返戻率が100%を下回る可能性がある

保険会社は、契約者から預かった保険料を元手に、将来の保険金の支払いに備え運用をしています。
運用には、長い期間が必要となるので、途中で解約をすると、解約返戻金がこれまで支払った保険料の総額を大幅に下回ってしまう可能性が高くなります。早期で解約すればするほど、その傾向は大きくなります。
契約して間もない保険の場合、解約返戻金が一切受け取れないケースも考えられます。
解約をすれば、当然、保障もなくなりますので、保障が第一目的なのか、保障と資産準備への活用を両方考えたいのかといったように、何のために保険に加入するのか?をよく考えた方が良さそうです。
保険料が高くて払い続けられないとなったのでは元も子もありません。
解約返戻金や満期保険金のあるタイプの保険の検討の際は、収入が減る可能性や急な大きな出費など、家計の変化に対応できるよう、無理のないものを選ぶことが大切です。

解約返戻金や満期保険金のある保険の使い道

元のお金よりも資産を多くすることを貯蓄にのぞむとするならば、それを保険で実現するのはなかなか難しいと言わざるを得ません。
というのには、2016年2月に日本銀行により導入されたマイナス金利の影響があります。
以前には、予定利率の高い保険商品も多数存在していました。
保険期間が長くなるほど、解約返戻率が高くなり、支払った保険料よりも多くのお金を受け取れるというものや、お宝保険と呼ばれる予定利率の高いものなどです。
昨今では、外貨建て商品や長期間保険に加入したり、一括で保険料を支払ったりという一部の場合を除き、支払った保険料以上のお金を将来的に受け取れるタイプの商品は少なくなってきています。
しかし、保険は上手に活用すれば、目的に応じて資金準備の手段となりえます。
保障も備えつつ、保険を使うことがなければ解約して受け取ったお金を有効活用したいという方は、解約返戻金のある保険を検討してみると良いでしょう。
学資保険の場合、教育費を準備しながら、契約者である親に万が一のことがあったらそのあとの支払いは免除されるという他の資金準備の方法ではない保険ならではのメリットがあります。
学資保険の選び方 返戻率はどう考える?
また、個人年金保険は、自分自身で将来の老後資金を準備できることに加え、支払った保険料に対して個人年金保険料控除(特約の付帯がなければ生命保険料控除)という税金優遇制度を受けられるというメリットもあります。
税制適格特約とは?個人年金保険を選ぶ大事なポイント
資産を蓄えること以外にもメリットを享受できることこそが、保険を資産形成の手段として使うことの特長であり、他の手段との大きな違いです。
保険=貯蓄ではなく、保険≠貯蓄です。保険を使って金融資産を増やしていくというよりは、万が一の保障を備えつつも、資産形成のためにも活用でき、なおかつ保険ならではのメリットも受けられるものとして考えると良いでしょう。
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おさらい

  • 保険=貯蓄ではなく、保険≠貯蓄です。
  • 保険は本来の保障という目的の他にも、将来的な資産形成の手段として役立てることができます。
  • 保険の役立て方や加入の目的、解約返戻金や満期返戻金の使い道をよく考えておきましょう。

(最終更新日 : 2024年10月15日)

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