もし、入社から定年まで同じ会社で会社員人生を全うしたら、学歴にもよりますが、退職金は2,000万円近い金額になることもあります。
厚生労働省の平成30年就労条件総合調査の概況によると、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の退職金の平均は大学卒(管理・事務・技術職)で1,788万円となっています。
退職金を老後資金の一部、もしくは主たるお金にしようと考えている人は少なくないでしょう。バリアフリー住宅へのリフォーム、趣味、旅行、葬儀費用、老人ホームの入居費用などの原資として退職金を使う人は多いようです。
もくじ
退職金の運用について考えよう
退職金は、長期に渡り貢献してきた会社から、退職時に受け取る大切なお金です。
一度に得たたくさんのお金を今後、何にどのくらい使うのか、貯めるのか、増やすのかをじっくり考える必要があります。10年後にリフォームをしたい、旅行をしたいという計画に基づいて退職金を運用し、お金を増やすことを考える方も多いものです。
退職後は、年金以外の定期収入がなくなるという人が多いかと思いますが、豊かな人生を送っていくためにも、できるだけ上手に運用していきたいものです。
高金利な退職金の運用プランとは?
低金利が続いていますが、退職金に特化して見ると高金利のプランがあります。
例えば、ある銀行では当初3ヶ月に限定して6%の利率の定期預金の適用をしています。3ヶ月は1年の4分の1なので、6%の4分の1にあたる1.5%が収益率になります。
これだけ見ると、低金利時代にはなかなか出会うことがない、お得な商品のように思えますね。
高金利の理由
超低金利のこの時代に年利6%、7%の運用商品と聞くと、思わず飛びついてしまいたくなるものです。
しかし、じっくりその商品の内容を見極める前に運用を始めてしまうとリスクが伴います。ここでは、高金利な退職金運用商品の注意点を説明していきます。
高金利は期間限定
預け入れの期間は3ヶ月、もしくは半年など短期間となっています。
退職金の運用は受取後1年以内とされていることがほとんどなので、それ以上の運用はできないのです。そのため、預けたとしても、別の運用プランを検討することになります。
そのままにしている場合は、自動継続という形で更新され、更新された後の金利は一般的な金利と変わらないということもあります。
投資信託とセットの場合の手数料
退職金の運用プランとして、すべてを定期預金として預けるという形もありますが、中には半分を定期預金として、もう半分を投資信託として運用していくというプランもあります。
投資信託を購入する場合には手数料がかかるので、手数料と定期預金の金利分が相殺され、結果として高い金利が目減りしてしまう可能性があると覚えておきましょう。
もちろん、投資信託で良い運用がなされれば資産運用としては成功です。高金利の運用プランを利用し、それによって老後への備えに結び付けていくということを夢見る方もいるでしょう。金利だけで判断せず、注意点をしっかり理解したうえで、退職金の運用をしていきましょう。
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おさらい
- 退職金運用商品の中には、超低金利時代にもかかわらず、年利6~7%などの高金利な商品が存在します。
- 高金利商品は期間限定であったり、投資信託とセットで販売されていたりといったケースがあります。利率だけでなく、運用の仕組みを理解するように努めましょう。