もくじ
家計に嬉しい、マイナポイント事業とは
2019年10月の消費税増税は私たちの家計に少なからず打撃を与えました。増税に伴う消費の落ち込みを防ぐために、国は2019年10月から2020年6月末までを対象とし、「キャッシュレス・ポイント還元事業」を推進してきました。
ニュース等でも「キャッシュレス決済」という言葉がよく使われたこともあり、キャッシュレス生活が以前よりも身近になったのではないでしょうか。
そして、次なる消費活性化施策として国が打ち出したのが、2020年9月から始まる「マイナポイント事業」です。マイナポイント事業とは、マイナンバーカードを活用した消費活性化施策で、対象のキャッシュレスサービスを利用することで、ポイントが還元される仕組みです。
ポイントの有効期限等、まだ正式発表がされていないものもありますが、2020年5月時点の情報をまとめました。ここでは、マイナポイントの申込みや申込みに必要なマイナンバーカードについて、詳しく説明していきます。
マイナポイントの申込みは2020年7月から
2020年9月から開始予定のマイナポイント事業に参画している企業(決済事業者)は銀行、クレジットカード会社、鉄道会社、コンビニ等、さまざまです。
キャッシュレス決済サービスによって、〇〇Pay、〇〇ポイント、〇〇チャージといったようにポイントに独自の名前がついていますが、キャッシュレス決済事業者を通じて付与されるポイントを総称してマイナポイントと言います。
総務省の「登録キャッシュレスサービス一覧」には、皆さんがよく利用しているキャッシュレスサービスも多く含まれているのではないでしょうか? 9月の開始に向けて国や企業で準備が進められていますが、私たちがマイナポイント利用の申込みができるのは、7月からとなります。
マイナポイント申込みにはマイナンバーカードが必要
7月の申込み開始前に用意しなければいけないものがあります。それは、マイナンバーカードです。既に所有しているという方は、マイナポイント申込みへの第一関門はクリアです。
2016年1月からマイナンバーカードの交付が始まりましたが、総務省によると、2020年5月1日時点の交付率は16.4%とのことです。
国民の利便性向上や行政の効率化等の実現のために、2015年10月以降、日本国内に住民票のある全国民に12桁のマイナンバーが通知され、その翌年からマイナンバーカードの交付が開始されましたが、思うようにカードの所有率が伸びていないという実情があります。
このような背景の中、マイナポイント事業は消費活性化と共に、キャッシュレス決済サービスの普及、マイナンバーカードの普及も進めていきたいという国の狙いがあるようです。
マイナポイント事業開始の3つの目的
①消費の活性化
②マイナンバーカードの普及促進
③キャッシュレス決済の基盤の構築
マイナポイントの基本をおさえておこう!
ポイント付与は利用金額の25%、上限は5,000円相当
マイナポイントは、2020年9月以降に対象のキャッシュレス決済サービスを利用することで付与されます。対象のサービスは7月の申込み時点でご自身が選んだもので、ポイント付与対象になるのは、チャージもしくは物品購入とされています。
付与率は利用金額の25%で、利用金額の上限は2万円です。上限の2万円を利用した場合、最大で5,000円相当分のマイナポイントが付与されます。
例えば、対象期間中に、ご夫婦それぞれが2万円の上限までキャッシュレスサービスを利用すると、二人で最大1万円相当のポイントが付与されます。予約、申込みは個人で対応する必要がありますが、個人で5,000円相当のポイント付与は家計管理にも役立ちそうですね。
ただし、この5,000円のポイント付与は、対象期間内に付与できるポイントの総額となります。利用する度に、5,000円のポイントが付与されるわけではないので注意してくださいね。
ポイント付与の対象
・チャージ
・物品購入
ポイント付与対象期間
2020年9月~2021年3月
マイナポイント申込み(申請)に必要なもの
・マイナンバーカード
・利用者証明用電子証明者暗証番号
・マイキーID>
詳しくは、下記の「マイナポイント申込みからポイント付与まで」の項目をご覧ください。
マイナンバーカードの申請方法
マイナンバーカードとは
マイナンバーカードとは、氏名、住所、生年月日等の記載があり、公的な身分証明書として利用できるプラスチック製のカードです。本人が申請することで交付されます。
表面は顔写真付きでなりすまし防止に役立ち、裏面にあるICチップ内には、利用者が本人であることを示す証明書の発行番号が保持されています。また、ICチップ内の情報が不正に盗取されないよう、セキュリティ機能が完備されています。
マイナンバーカードを持っていると、自治体のサービスやオンライン上での確定申告に利用することができたり、住民票の写しがコンビニで取得できたりと、一枚で活用方法が多い優れものです。
申請方法は4種類
マイナポイントの申込み受付期間が近づくと、マイナンバーカードの申請も混雑することが予想されます。通常は申請から発行まで、1ヶ月程度が必要ですが、それ以上の期間がかかる可能性もあるので、申請はできるだけ早めに済ませましょうね。
①スマートフォンから申請
②パソコンから申請
③郵送で申請
④マイナンバーカード申請に対応している証明写真機から申請
オンライン申請や証明写真機で申請することで、郵送よりもカードが手元に届く日数を若干短縮することができますので、お急ぎの方はオンライン申請等を活用すると良いでしょう。
マイナンバーカード総合サイト 申請方法と申請の流れ
マイナポイント申込みからポイント付与まで
①マイナンバーカードを取得
②マイナポイントを予約して、マイキーIDを発行
マイナポイントの予約にはマイナンバーカード受け取り時に設定した4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明者暗証番号)が必要となりますので、事前に確認しておきましょう。
予約が完了すると、マイナポイント利用に必要となる専用のID「マイキ―ID」が自動的に設定されますので、忘れずに保存してくださいね。このマイキーIDにより、本人認証をすることができます。
マイナポイントは、ご自宅にいながら、お手持ちのスマートフォンやパソコンから予約できるので便利です。もしスマートフォンが、カード読み取り対応不可の機種の場合はパソコンや、自治体で予約をしてくださいね。
◇iPhoneから予約
「マイナポイントアプリ」をインストール
◇Androidから予約
「マイナポイントアプリ」、マイナンバーカードに記録された電子証明書を利用するために必要な「JPKI利用者ソフト」をインストール
◇パソコンから予約
「マイキーID作成・登録準備ソフト」をインストール
※パソコンからの予約の際は、ICカードリードライタの準備が必要です。
お住まいの各自治体でもマイナポイント予約支援を実施していますが、利用の際は、混雑状況も含めて事前に確認しておくと安心です。また、予約者数の上限に達した場合は、マイナポイントの予約が締め切られる可能性があるので、希望の方はできるだけ早めに予約を済ませましょう。
③マイナポイント事業を行っているキャッシュレス決済サービスの選定・申込み【2020年7月から2021年3月】
7月になるといよいよ申込みがスタートです。②同様にスマートフォンアプリやパソコンから申込みができます。ポイント付与のためのキャッシュレス決済サービスはひとつしか選べませんので、利用頻度の高いサービスを選ぶと良いでしょう。
④選択したキャッシュレス決済サービスを利用【2020年9月から2021年3月】
9月になると、いよいよポイント付与期間がスタートです。チャージや物品購入をすることで、ポイント付与の対象となります。キャッシュレス決済サービス利用の際には、マイナンバーカードは必要ありませんよ。
⑤マイナポイント付与
2020年5月時点で詳細は発表されていませんが、付与対象となる決済サービスの利用から、2ヶ月以内を目安とし、キャッシュレス決済サービスごとに付与タイミングが定められることになっています。
付与されたポイントは2020年9月から利用できる予定です。ポイントが利用できるお店で買い物等に活用しましょう。ポイント付与の対象となる最低利用額やポイントの有効期限等は、キャッシュレス決済サービスごとに異なります。
詳細は決定次第、公式サイトで発表されるので、情報を常にチェックしておきましょう。キャッシュレスサービスを上手に活用して、家計管理に役立ててくださいね。
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おさらい
- マイナポイントとは、対象のキャッシュレス決済サービスの利用で、最大5,000円相当のポイント還元が受けられるマイナンバーカードを活用した国の消費活性化施策です。
- マイナポイントの申込みは2020年7月から、利用開始は9月からを予定しています。
- 申込みに必要なマイナンバーカードの申請は早めに済ませておくと安心です。