もくじ
介護にかかるお金
親の介護のこと、考えていますか?あまり考えたくないことですが、今は元気でも、5年後、10年後、もしかしたら来年にも「その日」は来るかもしれません。
さらに、自分の20年後、30年後のことまで考えだしたら、ますます頭を悩ませる問題ですよね。
では、実際に介護となると、平均してどのぐらいのお金がかかるのでしょうか?
今回は、「実際に介護にかかるお金にはどういったものがあるのか?」「平均でどのぐらいの介護費用がかかるのか?」について考えていきましょう。
介護費用の内訳
介護が必要な状態(要介護)になると、どのようなお金が必要になるのでしょうか?
介護が必要な状態として「要介護認定」を受けたとき、40歳以上の人は「介護保険」を利用してサービスを受けることができます。
自己負担額は、介護保険のサービス利用料のうち1割です(65歳以上で一定以上の所得がある場合、自己負担額は2割もしくは3割になります)。
介護保険の改正ポイントとは?高所得者は3割負担へ
また、対象となる介護保険サービス以外は、「全額自己負担」となっています。
つまり、介護費用とは、介護保険のサービス利用料(1割負担)+介護保険サービス以外にかかるお金(全額自己負担)となります。
介護サービスは自宅で受けるものと、施設を利用するものがあります。
自宅の場合は、介護が必要な人が生活しやすくするために、自宅の改修費などが必要になる場合もあります。介護サービス利用料については、下記記事もあわせてご確認ください。
介護費用の自己負担額はいくら?介護度によって違うサービス利用料
介護費用の平均額
それでは、実際にいくらかかるのでしょう?
介護費用月額の平均×介護期間の平均=総額として、見てみましょう。
1ヶ月にかかる介護費用は、要介護の状態、介護を受ける場所や住宅環境、家庭の事情などによってかなりバラつきがありますが、平成30年度 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」によると、平均額は7.8万円となっています。
介護期間で最も多いのは、4~10年未満で28.3%。次が2~3年未満、3~4年未満、10年以上が並び、14.5%となっています。
そして平均は4年7ヶ月(54.5ヶ月)です。
介護費用の平均総額
「平均期間」と、「月額の平均額」を掛け算して、介護費用の平均総額を算出してみると
54.5ヶ月×7.8万円=425万1,000円
いきなり総額を支払うわけではありませんが、450万円近いお金が必要ということになります。
親が介護を受ける場合、親の経済状況や、兄弟姉妹の経済事情なども踏まえ、必要な介護費用を「誰が」「どのぐらい」払うのか、早いうちから考えておくことも重要です。
では、親の介護費用は誰が負担していることが多いのでしょう。下のグラフを見てください。
「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」(平成24年度厚生労働省委託調査)によると、介護を必要とする親がいる子どもが、「施設・病院の利用料」など一部を負担しているという場合もありますが、注目すべきは、約5割強が「負担していない」=介護費用を親自身が負担しているという点です。
今後ますます人口が減少し、社会保障にも少なからぬ影響が出てくると思われる我が国において、子どもに介護費用を負担してもらうことは難しいのかもしれません。
ですから、自分の介護費用は自分自身で備えておくと安心と言えます。
突然やってくる「その時」に慌てないように、民間の介護保険などを活用して今から備えておきましょう。
介護費用の平均は?自己負担の総額はいくら必要?
平均の介護期間は4年11ヶ月で、介護に必要な金額の平均は約467万円となっています。
親族間で「誰が」「どれだけ」負担するのか、事前に話し合っておくと良いでしょう。
また、自分自身が介護される側になった場合に備えて、今から準備しておくことが大切です。
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おさらい
- 介護保険を利用しても、1割(65歳以上で所得が一定額以上の場合は2割もしくは3割)は自己負担でお金がかかります。
- 介護保険サービスに含まれないものは、全額自己負担となるので、毎月かかる金額と介護期間から、介護費用の平均額を知り、早めに備えておきましょう。