もくじ
子どもの教育費シミュレーション 一体いくらかかる?
公立・私立、文系・理系など、子どもの進路によって教育費は変わるもの。では、一体どのくらい変わるのでしょうか。
そこで今回の記事では、公立・私立などを幼稚園・小学校・中学校・高校・大学と段階ごとに比較した教育費総額を見ていきます。
ぜひ、お子さまの進路に必要な教育費の目安にしてください。
▼かんたん教育費シミュレーションで、実際に算出してみるのもおすすめです。
※教育費総額・・・学校教育費、学校給食費、学校外活動費などを含んだ合計額
1. 幼稚園の教育費
■幼稚園の教育費総額
公立 年間223,647円×3年=670,941円
私立 年間527,916円×3年=1,583,741円
子どもが幼稚園に入ると、月謝や習い事などの教育費もかさみます。公立の教育費総額は私立の半分以下ですが、公立の幼稚園数は少ないのが実情。
なんと84.5%の幼稚園児は、私立に通っているのです。私立幼稚園児のいる家庭に対して補助金を支給する地域もあるので、お住まいの自治体の制度を調べてみると良いでしょう。
参照:文部科学省 平成30年度子供の学習費調査
2. 小学校の教育費
■小学校の教育費総額
公立 年間321,281円×6年=1,927,686円
私立 年間1,598,691円×6年=9,592,146円
幼稚園とは逆に、小学校は公立に通うのが一般的です。私立に通う子どもは全体の1.2%になります。
年間の教育費総額を比べると、私立は公立の4.9倍。そのうえ、小学校は6年間あるので、公立と私立の教育費総額は約760万円もの差が出ます。
3. 中学校の教育費
■中学校の教育費総額
公立 年間488,397円×3年=1,465,191円
私立 年間1,406,433円×3年=4,219,299円
中学校の教育費総額は、公立と私立を比べると3倍近く違いますね。そのせいもあってか、私立の中学校に通う子どもは全体の約7%。
しかし、私立には学校独自の校風や中高一貫の効率的なカリキュラムなど、公立にはないメリットがあるのも事実です。
4.高校の教育費
■高等学校(全日制)の教育費総額
公立 年間457,380円×3年=1,372,140円
私立 年間969,911円×3年=2,909,733円
高校になると、私立の教育費総額は公立と比べて2倍強。私立の高校に通う子どもは全体の約33%を占めます。
各家庭の教育費の負担を軽減するため、一定の条件を満たせば給付を受けられる高等学校等就学支援金制度というものもあります。
≪高等学校等就学支援金制度の対象者≫
※平成26年度以降に高等学校に入学する生徒が対象
・国公私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)
・中等教育学校後期課程
・特別支援学校の高等部
・高等専門学校(1~3学年)
・専修学校(高等課程)
・専修学校の一般課程や各種学校のうち国家資格者養成課程に指定されている学校
・各種学校のうち一定の要件を満たす外国人学校(告示で指定)
【高等学校等就学支援金制度の対象として指定した外国人学校等の一覧】
ただし、以下の方は対象とはなりません。
・高校等を既に卒業した生徒や3年(定時制・通信制は4年)を超えて在学している生徒
・専攻科、別科の生徒や、科目履修生、聴講生
・市町村民税所得割額が30万4,200円以上の世帯の生徒
参照:文部科学省 高等学校等就学支援金(新制度)Q&A
5. 大学の教育費
■大学の入学から卒業までの教育費
(入学費+在学費×年数=合計額)
大学 82.8万円 + 152万円×4年 = 690.8万円
国公立大学 71.4万円 + 107万円×4年 = 499.4万円
私立大学文系 86.6万円 + 157.6万円×4年 = 717万円
私立大学理系 84.5万円 + 184.3万円×4年 = 821.7万円
これまで見てきたように、子どもにかかる教育費の半分以上が大学に通うお金になるのです。
しかも、これらに加えて、仕送りなどがある場合、プラスで準備するべき費用が必要です。また、大学院や私立の医学部に進学すると教育費はますます増加します。
しかし、大学は高校までと比べて、国や地方自治体の入学料・授業料の免除制度や奨学金などが充実しているので、利用を検討する方は早めにチェックしておきましょう。
今後の社会状況などによって制度が変わる可能性もあるので、国や地方自治体のHPを細めに確認すると良いでしょう。
【授業料の免除】
東京大学 授業料等の免除
【奨学金制度】
日本学生支援機構 奨学金の制度
※大学の教育費は、日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」(令和元 年度)を参照
子どもの教育費をトータルでみると、幼稚園から大学まですべて公立で、ストレートで卒業された場合でも、約1,000万円かかります。
大切なお子さまが希望した進路に進めるように、教育費をいつまでにいくら貯めるかを想定し、計画立てて貯蓄することが大切です。
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おさらい
- 幼稚園から大学卒業まですべて公立の場合でも、約1,000万円の教育費が必要です。
- 国や地方自治体による教育費の負担軽減制度や奨学金制度もあるので有効活用できるようチェックしておきましょう。