もくじ
子どもの教育費の準備事情、変わってきているってホント?
待ちに待った赤ちゃんの誕生。家族全員が幸せに包まれる瞬間ですね。赤ちゃんといえば、将来に備えて、学資保険の検討を始めるご家庭もあることでしょう。ところが、長年にわたり鉄板の教育費の準備ツールであった学資保険ですが、最近続く低金利の影響で、少し注意が必要になってきました。学資保険は保険商品の一種で、大きく3つの役割が期待されています。
①教育費を長期に渡って準備する機能
②支払った保険料を受け取る保険金が上回る期待
③契約者(保護者)にもしもの場合は、払い込み免除となる保障機能です。
このうち、受け取り金額は、市場金利の影響を強く受けます。途中解約などの際は、解約返戻金が支払い保険料を下回る可能性が高くなります。しかし、「保護者の万一の場合」に備えるには、安心を確保できる商品です。また、お子さまのケガや病気に備えて医療特約を付けることもできます。ただし、特約を付けると、保険料が高くなり、支払保険料よりも解約返戻金が下回るというケースもあります。
契約時に内容をしっかり確認し、特約等を付ける場合は、支払う保険料の総額と受け取る金額のバランスも確かめておきましょう。
ジュニアNISAってナニ?
3年ほど前から、証券会社や銀行のポスターでよく目にするようになったNISA。国が推進する少額非課税投資制度で、2014年にスタートしました。投資可能期間は2023年までです。現在の投資額上限は1年間で120万円、基本的には日本在住の20歳以上の人であれば誰でも利用できます。株や投資信託、不動産投資信託のREIT(リート)まで幅広く投資でき、値上がり益に係る税金が非課税になります。
NISAのお手本である、イギリスのISA(アイサ)では若年層向けの資産形成手段としてジュニアISAという制度があります。「イギリスのジュニアISA」をお手本に作られたのが、日本のジュニアNISAです。
口座を開設する年の1月1日現在、日本に住む0歳から19歳が対象になります。
新規投資額は毎年上限が80万円で、最長5年間運用し、ロールオーバー(翌年の非課税枠に移管)で継続保有が可能です。投資の上限金額(元本)は、トータルで400万円(80万円×5年)になります。投資可能商品は、通常のNISAと同じく株や投資信託、REITなどに投資できます。
子どもの教育費準備が目的のため、3月31日時点で18歳の年の前年12月31日になるまでの間は、原則として引き出しができません。また、引き出す場合には、過去の利益にも課税され、非課税の特典が受けられないので注意しましょう。また、投資商品のため、値上がり益が期待できますが、同時に損失が出るリスクもあります。NISA口座の取り扱い会社によってサービスが異なるため、利用の際にはよく確認しましょう。
教育無償化って、ホント?
2018年度から、返済不要の給付型奨学金が本格スタートします。対象は、主に市民税非課税世帯などの低所得世帯の学生です。今後、給付の対象を広げるという議論もあるようです。給付型奨学金が本格スタート【2018年版】大学等の学費は、大きな出費になるもの。長い時間をかけて、しっかり貯めていかなければ目標額を準備するのは難しいところです。貸与型奨学金も各種充実していますが、卒業した時から大きな返済の義務が生じるので、本人の自覚が必要になります。
教育資金の準備はどれがいい?
「学資保険の保障も、ジュニアNISAの利益が出る期待も、どっちもいいな。でも、そんなに貯められるかしら?」という疑問、ごもっともです。一例として、学資保険の受取金額を最小限に抑え、余裕分でジュニアNISAに投資するなどの合わせ技も考えられます。「子どもの誕生」という家族の変化の節目を迎えたら、家族全員のライフプランも含めて、長期の資金計画を立てるチャンスです。一度じっくり家族で相談してみてはいかがでしょうか。
▼かんたん教育費シミュレーションで、実際に算出してみるのもおすすめです。
※本記載は、2018年3月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署などにご相談ください。
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おさらい
- 子どもの教育費準備事情が変化中です。
- 教育費準備には、教育費保険の他にジュニアNISAという方法もあります。
- 2018年度から国の給付型奨学金もスタートして、教育費準備プランにも影響が出て来る可能性があります。