西條直美FPインタビュー

保険もお金も人生も線で見る。不安はちょっとした変化で軽減することができる

結婚・出産・子育てを経て、社会復帰を果たす。大手保険会社に勤務後FPに。世の中の動きがまるでわからなかった「専業主婦」、お金のプロとしての「FP」、両方の目線からお客さまに接することができるのが何よりの強み。専業主婦こそ一番大変な職業という考え、2人の子どもを育てあげた経験は、子育て世代のお客さまの相談に大いに活かされている。

FPはお金の総合病院。全体の流れを見て、その方に合ったプランを提示する

西條FP(ファイナンシャルプランナー)は、保険業界に入る前は「保険」に対してどのようなイメージをお持ちでしたか?

そもそも私、保険業界が好きではありませんでした。若い頃に結婚して世間知らずだったのかもしれませんが、担当者がコロコロかわったりするようなイメージがありました。世の中のことに疎かったので、保険は自分に必要ないと思っていました。

あとは時代もあります。保険で資産形成するために金融商品を探さなくても、銀行にお金を預ければお金が貯まる時代でした。

でも子育て中に、保険の営業さんが来られて。保険に興味ないからと最初はお断りしていたのですが、一人とても話しやすい方がいて、お付き合いのような感じで年金型保険に加入しました。その保険だけ、唯一加入していましたね。今で言うお宝保険です。

当時の私としては、お金が将来的に増えるということは理解していましたが、それがいくら増えるかは知らず、銀行に預けてもそのくらい増えるでしょうという感覚でした。笑

保険にいいイメージをお持ちでなかった西條FPが保険業界に入られたのはなぜですか?

子育てをしているとき、地域活性化のために、地域振興券の配布がありました。そのときにこのような券の配布ではなく、税金が安くなればいいのにと思いました。

そうしたら、「あれ、税金ってどうなっているっけ?」と気になりだしまして。ちょうど働きたい時期でしたので、探していたらFPに行きついたというわけです。あとから保険がついてきたような感じですね。

では、FPという仕事についてはどのように考えていらっしゃいますか。

日本ですと、「FP=生命保険の営業さん」というイメージを持っている人が多いように感じますが、実際にはそうではありません。FPってお金の総合病院のようなものだと思います。

家を買うときはどこに行きますか?不動産屋ですよね。相続のことは士業、税金のことは税務署。でも、全部ひとつのお財布からお金って出ていきますよね。なのに、相談するところが全て違います。

例えば不動産屋に行ったら、今借りられるお金を提示されます。私たちFPの場合は、返せるお金を提示します。借りているお金がいくらで、返せるお金がこのくらいだったらマイナスにならないといったようなお金の組み立て方をします。

収入が同じAさんとBさんがいても、Aさんは実家がお金持ちかもしれません。収入が同じでも、使うお金も返せる実力も体力も違います。すると、その方に合ったお金のプランが必要になります。

体のどこが悪いかわからないときに総合病院に行くように、FPはお金の全体を見なければいけません。FPは、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継と6分野網羅しているので、一番理に適ったご提案ができるのではないかと思っています。

保険は出口が大事。給付金は時には心の支えになる

保険だけでなく、全体的なお金として考えなければいけないのですね。実際にそう感じた経験はありますか?

私が保険に関わる仕事を始め、2年目のことです。解約をしたいというお客さまがいらっしゃいました。お若い頃から加入されていて、満期まであと2年というタイミングです。

奥さまと話していたのですが電話では話しづらい内容だったようで、実際にお会いすることになりました。私としても、今まで支払いを続けてこられ、満期保険金もあるのに、どうして今なのかと気になっていました。

お会いしてみて驚きました。契約者である旦那さまは車いすに乗っておられ、手も動かない状態。神経系疾患である難病を抱えていらっしゃいました。

奥さまは、旦那さまの体調もよくないし、仕事もできる状態ではないから解約したいとのこと。保険料も払い続けるのが大変だからと。

いろいろとお話を聞いたり調べたりしているうちに、旦那さまは障害者認定を受けていて、今の状態は高度障害状態に該当することがわかりました。奥さまにしてみれば、旦那さまが障害者だということはわかっているけれど、何が高度障害に該当するかということをご存じなかったのです。

旦那さまの体調も優れず、仕事ができる状態でもない、そんな中で何万円という保険料を月々払い続けるのはしんどいからやめようと思ったわけです。でも、知らなかったら解約しようと思ってしまうのも当然な気がします。

しかし、障害者認定をされているということでしたので、このようなケースの場合、払った保険料をお返しすることができます。高度障害による給付金を受け取ることもできます。

すぐに、病院で障害者認定を受けたのはいつか確認していただきました。保険料を遡ってお返しできるのは数年分ですが、既に支払っている保険料の一部と、高度障害による給付金を満額受け取っていただくことができました。

でもこれが例えば、コールセンターに電話をして、解約書類を送ってもらい、解約手続きをしていたら、給付が受けられる事実を知らないまま解約をしていたということになります。

全部で三社の保険に加入されていたのですが、お会いしたことをきっかけに、全て保険料を戻していただきました。このとき改めて、保険は出口が大事だと思いましたね。

出口とは給付を受けるときのことです。お客さまが給付の経験をすることはあまりないかと思います。すると、保険に加入している長い期間の中で、途中で自分の保険がわからなくなってしまうこともありますよね。

先ほどのお客さまの場合も、何もわからない中、保険料を払い続け、自分は働いていてもヘルパー代としてお金が出続ける。さらに介護による疲れも重なり、ストレスはとてつもなく大きいものだったと思います。お金だけではありませんが、給付金は心の支えにはなったのではないかと思っています。

点で見ないで線で見る

お客さまも救われた思いでしょうね。お金に関する不安をお持ちの方は大勢いらっしゃるかと思いますが、先が見えない中、消費者は何を考えなければいけないのでしょうか。

私はいつもお客さまに、「点で見ないでください。線で見てください」と言っています。何を選ぶにしても。人生って線じゃないですか?そのときそのときの点で生きているわけではありませんよね。

保険で考えると、今いいと思う商品が、1年後にどうなっているかを予測して加入することはあまりないと思います。つまり加入するそのときの点で考えているということです。

これを線で考えてみます。自分のライフプランでは、10年後に結婚して子どもを生んでいることになっています。つまり、そのためのお金を貯めることを考えることになりますよね?

ライフプランを線で見るように、保険商品も線で見るといいですよ。ライフプランは線、保険は点となるとうまくいきません。何が違うかというと、経済の進み具合は今と10年後では違うからです。

10年後の経済状況はわかりませんが、経済が低迷していくという不安感だけはなんとなくあるかもしれません。でも、ライフプラン上の10年後にいくら貯めるという目的に合わせて、方法を決めていけば不安は軽減されます。

結論が出ていれば、あとはやるだけ。まずはやってみることです。1歩踏み出さないことには何も変わらないので、お客さまには、1つでもいいので何か変化をしてくださいとお伝えしています。

それは1,000円の少額から投資を始めてみるとか、意識を変えてみるとか小さな変化でもいいのです。

編集後記

「保険が嫌いだった」 以前抱えていたこの気持ちを忘れないことを心掛けているという西條FP。
そのときの自分だったらどう思うか、何を心配に思うかを常に考えながら、お客さま目線で日々活動されているそうです。「私から連絡がないときは何も心配しないでください。大きい変動があるときは必ず連絡しますから。でも心配なことがあったらいつでも遠慮なくご連絡ください」
とお客さまにお伝えしているそうです。
保険やお金に関することは不安に感じやすいもの。
そう言ってくれる存在がいることが、どれだけありがたいことか、“お金”に悩む一個人としてそう思いました。

マネードクターとは、ライフプラン、保険、年金、税金など、人生において大切なお金のことを、お金のプロ・ファイナンシャルプランナー(FP)にご相談いただけるサービスです。ご相談は一度きりではなく、かかりつけ医のようにいつでもお気軽に何度でもご相談いただけます。マネードクターのFPは一人ひとりの人生を豊かにする一生のパートナーです。